私のもとには、組織マネジメントやチームビルディングについて
たくさんの方が相談に来られます。
例えば・・・
・良い人材が採用できなく困っている
・入社してもすぐに退職してしまう
・募集をかけても応募すらない
・管理職が育たない
などなど、実際の(介護)事業運営には悩みが尽きないものです。
そして、人事評価コンサルや管理職育成研修などのご依頼も多数ありますが、残念ながらほとんどがうまくいきません。
なぜなら、ほとんどの経営者が具体的思考に陥ってしまっているからです。
物事を具体的に捉えればとらえるほど、本質から外れてしまいます。
そうならないためには、抽象的思考が必要になってきます。
例えば、あなたの法人では採用がうまくいっていないと仮定します。
そういった場合、ほとんどのケースで「採用だけ」が課題だと誤認識しています。
あるいは、スタッフが育たない場合も同様に、「教育だけ」が課題だと誤認識しています。
まさに、『点の課題』という具体的思考に陥っている証拠です。
しかし、それではどれだけ多大な資源を投入したところでうまくいくはずがありません。
なぜなら、仮に「採用だけ」うまくいったとしても、社内コミュニケーションがぐちゃぐちゃだと、結果としてすぐに離職につながってしまうからです。
また、スタッフ育成のために社内研修を行ったとします。
残念ながら組織マネジメントがうまくいっていない法人ほど、研修をして「終わり」なのです。
具体的思考に陥り、研修をすること自体が目的になってしまうと、せっかくの研修が意味を為さないものになってしまいます。
そうならないためには、研修に参加した後に成長したスタッフを正しくタイムリーに評価する仕組みが必要です。
つまり、組織マネジメントは「点」ではなく、『線』として考えることが大切と言えます。
これこそが、まさに『抽象的思考』です。
そして、抽象的思考をするということは、以下の5つを『線』で繋ぐ必要があります。
①人財採用
②人財育成
③人事評価
④組織風土の構築
⑤職場環境の変革
この5つが「点」ではなく必ず『線』で繋がっていることが大切です。どれか一つが欠けても、組織マネジメントは絶対にうまくいきません。
先述の通り、私のもとに相談に来る経営者やリーダーのほとんどが、「採用だけ」とか「育成だけ」が課題だと思い込んでいます。
では、実際にどのように『線』として繋げていけば良いのかをお伝えいたします。
例えば、『人が育たない』という課題を抱えているとします。
そうすると例外なく「人材育成に力を入れよう」として研修を企画します。
その際、必ず②人材育成を行った後に、③人事評価まで落とし込む必要があります。
研修に参加したことを評価し、会社側が求める言動が増えたスタッフを正しく評価することが大切です。
間違っても、研修をやりっぱなしにしないでください。それほどに時間もお金も無駄なことはありません。
そして、③人事評価を行うことで組織が活性化してきます。
すると、次第に④組織風土が構築されます。楽しい職場とか、みんなメリハリをつけて仕事する、だとか組織の雰囲気が出来上がってきます。
そんな良い雰囲気が出来上がってくると、そのうち「もっと職場をこうしたい」とか、「こういうことをやりたい」というように、自然と色んな声が上がってくるでしょう。
そのタイミングこそ、古い価値観から新しい価値観へ脱皮する大きなチャンスです。
それこそが⑤職場環境の変革と言えます。
新しい取り組みをすることでクリエイティビティが発揮される組織に生まれ変わると言えます。
手書きで行なっていた記録をICT化するチャンスでもあります。
そして、「私たちの組織は、こんな取り組みをしているんですよ」とメッセージを外部に発信することで、
①人財採用がうまくいきます。
まさに、『線』で繋がりましたね。これこそが『抽象的思考』です。
このように、日頃から物事の本質を見抜く力を養うためには、具体的思考も大事ですが、抽象的思考を心がけると良いでしょう。
これを理解しておくだけでも、十分にチーム力は育まれます。
そのためには、組織マネジメントは『線』で考えることがスタートです。