新年度を迎え、多くの事業所では新卒採用者や中途採用者が勤務を始められたことと思います。
そんな最中、私のところにもすでに「新卒が辞めてしまった」や「中途採用の方が急に職場に来なくなった」などという相談が立て込んできています。
これにはまず、二つ断言できることがあります。
一点目は、完全にミスマッチでの採用となったことが原因と言えます。
企業側が求めている人物像と、求職者側が求めていた仕事像に対して、お互いが大きな乖離があったと言えます。
誰でもいいから欲しいと考える企業側と、どこでもいいから働きたいと考える求職者側にそれぞれに問題があると言えます。
つまり、企業側は企業理念をはっきりと明確化し、それを理解してもらった前提で入社してもらうことが必須となります。
「誰でもいいから採用したい」などの発言は、ご利用者へのサービスの質を担保していない証拠なので、大変失礼な話でありビジネス倫理から外れます。
二点目は、コミュニケーションの量が少なすぎる、もしくは多すぎることが原因と言えます。
コニュニケーションの量が少なすぎることは、必要な時にフォローをすることが出来ず、不安やわだかまりが残ったまま仕事をすることになるため、新人スタッフからするととても不安なことです。
不安なことは、不満につながってきますので、コミュニケーションの量が増やすことが大事です。
一方、多すぎることも実は問題なのです。
良かれと思って過剰に関わりを増やしたり、雑談する機会を設けることがストレスになる場合があります。
つまり、新人であれ中途であれ、いつ・どうなったら・どこで・誰と・どのようにコミュニケーションを図る必要があるのかが曖昧のまま、教育やO J Tなどがスタートしてしまうのです。
コミュニケーションは、自然に生まれるものではなく、作り出すものです。「なんとなく」だとか「今まではこうだった」という感覚と経験から脱却できないと、ミスコミュニケーションが生まれ続け、結果として早期退職につながってしまいます。
新年度から一ヶ月が経ち、採用したばかりのスタッフが退職してしまう法人は、適正なコミュニケーションの量を考え、質を担保することが大事です。
そのためには、組織の理念を浸透させることが必須です。
ぜひ、取り組んでみてください。