1. はじめに
介護業界は人手不足が深刻といわれていますが、今後も、人手不足の状況が続くと言われています。
厚生労働省のデータを見てみると、2022年度は介護職員数が215万人なのに対して、2026年には240万人、2040年には272万人が必要になるとも言われています。

「出展:第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省(別紙1第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html」
このような状況下で、人手を増やすために新しい職員を採用してもなかなか定着せず、働いている職員の負担も増えるばかり、、というような事業所さんも多いのではないでしょうか。
そこでこの人手不足の状況を少しでも解消するための手段の一つに、ICTがあります。
ICTを導入することで、人手不足の解消はもちろんですが、今働かれている職員さんの負担軽減にも繋がります。
ですがICTとは言っても様々な製品があるため、今回介護現場ではどのようなICTが利用されているのか見ていきたいと思います。また、実際にICTを導入したら現場はどのように変化するのか、簡単に紹介していきます。
2. 介護現場で使われているICT

介護現場で利用されているICTと、ICTの導入前と導入後どのように変わるのかをご紹介します。
・記録業務の電子化(介護記録ソフト)
導入前:食事や排泄等、全ての介助内容を紙やPCなどに記録されていた。
導入後:介護記録ソフトを使って簡単に入力が可能に。
スマートフォンやタブレットでも入力が可能なため、紙やPCが置いてある場所に移動しなくても入力ができるようになり、時間削減に。
・バイタルの自動記録
導入前:体温や血圧、脈拍等を測ったら手書きで記録されていた。
導入後:測り終えて紙に記入したり、介護記録ソフトに記録する時間を省けて時間削減に。
・見守りセンサーやカメラ
導入前:夜勤の時などは、必ず2~3時間おきにご利用者さんのお部屋の見回りに行かなくてはならなかった。特に広い施設だとかなり時間がかかっていた。
導入後:見守りセンサーやカメラの普及により、毎回見回りに行かなくてもPCやタブレット、スマートフォンの画面上で確認できるようになった。
・勤怠管理・給与計算
導入前:エクセル等でシフト作成や集計等をされていた。打刻も紙に記入したりタイムカードで管理されていたりで、かなり集計に時間がかかっていた。締めの時期はかなり忙しく、、
導入後:打刻したデータが自動で集計されるように。エクセルでは数式のミスも発生するが、システムだとミスもなく集計できる。
・情報共有
導入前:紙やホワイトボード等に伝達事項を記入して、情報を共有していた。
導入後:PCやタブレット、スマートフォンなどで情報共有が可能に。事務所にいなくても情報を確認できるようになった。
・インカム
導入前:PHSでやり取りしていた。1対1でのやり取りは他の方に伝わらないため何度も同じ情報の共有が必要に。番号を押したりするのも手間だった。
導入後:ボタン一つで1対1でのやり取りも施設全体に伝わるようになった。事故等が起こった際にも施設全体に周知できるため、フォローを呼びやすい。
・オンライン会議・研修の導入
導入前:介護業界に限らずですが、これまでは同じ場所に集まらなければ会議や研修ができなかった。
導入後:PCやタブレットなどの端末上でどこにいても会議や研修ができるようになった。
ICTを導入するとどのように変化するか、イメージは湧きましたでしょうか。
気になった機器がありましたら実際に調べてみてくださいね。
3. ICT導入のメリットをまとめると
上記の内容を踏まえて、介護現場でICTを導入するとこのようなメリットが挙げられます。
・職員の負担軽減
日々の記録を電子化したり、見守りセンサーやカメラ等を導入することによって、職員の負担軽減に繋がるため、よりお一人おひとりの介助を丁寧にできたり、余った時間を別の業務に使うことができるのではないでしょうか。
・情報共有のスピードアップとミスの削減
重要な情報を、事務所で必ず確認しなくてもタブレットやスマートフォンでいつでも確認することが可能に。また、インカムの導入により情報共有がスムーズできたり、勤怠管理システムの導入によりミスなく集計ができるように。
・データ活用によるケアの質向上
見守りセンサーや介護記録ソフトに入力した記録をもとに、データを抽出することができるため、そのデータをもとに、ケア内容の見直しや向上を図ることが可能に。
4. 導入にあたっての課題
このようにICTを導入することのメリットは多くありますが、もちろん課題もあります。
・高齢スタッフのITリテラシー問題
介護業界は高齢の職員の方も多く、ITに苦手意識を持たれている方も多いため、導入を受け入れてもらえなかったり、使えるようになるまでに時間がかかってしまう。
・システム選定の難しさ
どのICTにおいても様々な製品が存在しており、どのシステムを導入するか、どのシステムが現場に合っているのかの選定が難しい。
ケアズ・コネクトは勤怠管理やグループウェア、人事考課やモチベーションを高める仕組みなど、様々な機能を一つのシステムでご利用いただけます。
詳しくはこちらからチェックしてみてください
・初期導入コストがかかる
ICTの導入には初期導入コストが高いものもあるため、導入したいと思ってもなかなかすぐに導入することが難しい場合も多いかと思います。そんな時は、補助金を活用するという方法もありますよ。
ケアズ・コネクトの導入にもこれらの補助金を利用できますので、是非チェックしてみてください。
☆IT導入補助金
☆介護テクノロジー定着支援事業補助金
まとめ
介護現場でICTを導入することは、簡単なことではないですが、活用できるようになれば、人手不足の解消や職員の方の負担軽減に繋げていくことができると考えます。
導入を検討されている事業所様は、現場の方の意見も聞いたり、補助金も活用しながら導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ICT化を進めていくことで人手不足の解消に繋がり、そして今働かれている職員の方々の負担も軽減され、安心して働き続けてもらえることができるのではないでしょうか。
ケアズ・コネクトでは、ICTに慣れていただくための第一歩として、フリープランもご用意しています。
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