介護職における一流リーダーと三流リーダーの決定的な違い

私は今まで何百人という方々に対して、リーダーシップに関するコーチングを行ってきました。
その中から見えてきた、介護職における一流リーダーと三流リーダーの決定的な違いについて私独自の考察を述べたいと思います。

まず、そもそもですが、皆さんはリーダーの定義をしっかりと理解しているでしょうか。
私は、リーダーとは「部下や仲間、クライアントに成果を出させること」だと考えています。
リーダーは、部下や仲間の個人的能力を見抜き、適材適所でアプローチとフィードバックを繰り返すことが大切です。
また、
・この人は、営業より総務の方が合っているのでは?
・この人は、短期業務より中長期業務の方が適しているかも
など、個人が持っている潜在的な能力を顕在化することができる人ほど、真のリーダーと言えるでしょう。


しかし、残念なことに三流レベルのリーダーも少なからず存在しています。
三流リーダーの典型的な特徴としては、ズバリ
個人の感覚知で行動する
と言う特徴があります。

先述の通り、「部下や仲間、クライアントに成果を出させること」こそがリーダーの最も大切な仕事だとするならば、個人の感覚知だけに頼っていては組織力やコミュニケーションは向上しません。
例えば、医療の現場では「神の手」と呼ばれる医師がいたとします。
患者や仲間からすると、とても心強い存在であるということに異論の余地はありません。
しかし、これが教育という観点から考えてみると、その「神の手」と呼ばれる技術が継承されない問題が出てきます。なぜなら、再現性がなく追体験ができないため若手医師の技術がいつまでたっても成長しないからです。
これを医療現場では【暗黙知】と言います。
この暗黙知が広がってしまうほどに、医療コミュニケーションがどんどん複雑化してしまいます。
このように、個人の感覚や感性に頼ってしまうことは、私が考えるリーダーの定義からは大きく逸脱します。


では、一流のリーダーは一体、具体的にはどんなことをやっているのか。
それは、徹底してマニュアル化を図り、無駄を省き、コミュニケーションを共通言語化(定量化)するということです。
介護現場は人手不足が恒常的になっており、新しいスタッフが入った場合でも早いタイミングで独り立ちをしてもらう必要が出てきます。
その際に、個人の感覚知に頼っているようでは成長スピードが遅すぎます。
誰がいつやっても同じことができるレベルに引き上げるためには、マニュアルの存在が絶対に欠かせません。
マニュアルとは、言い換えるならば「基礎」です。
その基礎ができていないのに、応用などできるはずがありません。
介護現場では、とにかくイレギュラーなことが続出します。それに応えるためには、とにかく応用力です。
つまり、応用力を鍛えるためには徹底して基礎を築くことが何よりも大切なのです。
そして、マニュアル化する際も、元々やっている非効率なやり方をマニュアル化してしまうと、悪しき風土が出来上がってしまいます。そのためにも徹底して無駄を排除し、とにかく共通言語化(定量化)することが大切です。
何のためにやっているのか不明な仕事はさっさと止めてしまい、曖昧な言葉を使わずに共通言語化しましょう。
言葉の定義をしっかりと見つめ直すことで、ミスコミュニケーションを防ぐことができます。


三流のリーダーは、何となくの感覚知で仕事をするため再現性がなく、そこに無駄が生まれます。
それでは、いつまでたっても部下が成長することなど不可能です。
一流のリーダーには、
・マニュアル化を図る
・徹底して無駄を省く
・共通言語化(定量化)する

という条件が欠かせません。

一人でも部下を持つあなたは、ぜひ今日から意識し実践してみてくださいね!

一流リーダーへの第一歩は徹底したマニュアル化から!
事業所のルールや作業内容など、口頭や文字のみでは伝えづらい業務内容も、動画や写真が登録できるケアズ・コネクトの「マニュアル・手順書」機能を使えば、簡単に共有可能!
教える側、教わる側、双方の無駄を省きつつ、スタッフ間の共通言語化が可能になります?