私は、過去に何百という施設を訪問し、
中には離職率の高い法人と出会ったことも数知れません。
そこで今日は、人事評価面談とは別に、個別面談の時間を設けることの重要性についてお話しします。
これは私の感覚値ですが、自分の部下の人数が20人を超えるまでは、
スタッフ1人ひとりと最低でも月に1回、30分〜1時間の個別面談をしましょう。
これは、私自身が痛感していることですが、これにより溜まっていた不満をガス抜きしたり、スタッフから改善案が出てきたりするのです。
もちろん、その改善案は可能な限りスピーディに改善してあげましょう。
ただし、出来もしない約束は絶対にしちゃいけません。
これをするだけで、離職率はかなり下がりますので離職率の高さで悩んでいる人は今すぐ絶対にしてください。
こういった当たり前のこともしないで、
「社員が定着しない。もっと良い人材はいないだろうか」
といって悩んでいるのは、愚の骨頂です。
まさに、バケツの底に穴があいているのに、それをふさがずに水をいれるようなものです。
離職率が高い(=バケツの底の穴が大きい)なら、
採用をする(=水を入れる)よりも先に
離職率を下げる(=穴をふさぐ)ことが先決です。
私がつくづく、組織はディフェンス(定着率)が大事だと提唱していることを物語っています。
離職率が高いということは、現在の会社の仕組みや環境が悪いことの証拠なので、
まずはその改善が最重要課題です。
それもしないで採用をするのは愚か者です。
費用対効果化が低い採用広告費にひたすらコストをかけ続ければ、組織運営がどうなるかは言うまでもありません。
まずは、徹底してスタッフと1on1の時間を必ず確保しましょう。
しかし、残念ながらこういう話をすると「忙しくてそんな時間は取れません」とおっしゃられる方がいますが、実は全くの逆です。
こういう時間を確保しないからこそ、忙しいのです。
成熟した大人同士の付き合いを重視することで、社内コミュニケーションが良好になります。
コミュニケーションとは、人体で言うならば血流そのものです。
その血流が潤沢に循環するためには、社内コミュニケーションが何よりも大切です。
そのために、スタッフたちが抱えている「怒り」「悩み」「不安」などを定期的に取り除いていく必要があります。これを、私は「怒りの解放」と名付けました。
少しでも血流が詰まってしまえば、動脈硬化などの体調不良を起こします。
そうならないためには、徹底してスタッフとの個別面談の時間を優先して確保することが大切です。