組織マネジメントがうまくいかないと、ついつい「経営理念を掲げよう!」だとか、
「行動指針を作ろう!」などと豪語する経営者がいます。
残念ながら、これが組織崩壊に拍車をかけることになります。
ただ、誤解しないでいただきたいのは、経営理念が不必要と言っているわけではありません。
大事なのは、その順番なのです。
組織マネジメントというのは、子育てと非常によく似ています。
私たちに子どもが生まれた際、まずは愛情を120%注ぎます。
そして、家庭内において安全・安心・安定できる環境をつくります。
「自分は愛されているんだ」とか「ここにいても大丈夫なんだ」と安心できる環境を徹底して構築することが子育ての大前提です。
例えるならば、「マザー(母親)の愛情」が土台として不可欠です。
※もちろん父親の愛情も子育てでは欠かせません。
そして、子どもが大きくなるにつれて、社会で生き抜いていくための価値観や力強さを伝えてきます。
例えるならば、「ファザー(父親)の強さ」です。
※もちろん母親も子どもに価値観を伝えます。
それなのに、これが組織になると何故かいきなり価値観や力強さから育もうとしてしまいます。
言うならば、いきなりファザーの強さが全面に出されるのです。
これは、子育てで言うならば「上手におっぱいを飲め!」だとか「オムツでおしっこをするな!」ということと何ら変わりありません。
この「マザーの愛情」の土台がないまま子どもが成長すると、組織の中に恐怖が生まれます。
これだけ市場が成熟しきっている今日の日本では、
組織の中に恐怖が蔓延しクリエイティビティが発揮できなければあっというまに会社が衰退するのは当然のことです。
これが今日で言われる「心理的安全性」が重要だと言われる所以です。
これは、実は動物学的にいうとサルでもこの順番を守ってやっています。
しかし、残念ながら組織マネジメントがうまくいっていない法人ほど、
いきなり「ファザーの強さ」を豪語します。
それに、子どもが思春期・反抗期に入ってから焦って関係性を育もうとしてもそれはとても大変なことです。
それは、組織マネジメントも同様です。
そんな時に、間違って「売上倍増だ」とか言ってしまうようであれば、残念ながらもう組織崩壊は止められません。
組織マネジメントがうまくいかないなぁと感じるのであれば、
徹底して「マザーの愛情」を構築するステップから踏み出してみてください。
この土台があるか否かで、会社の将来性が決まると言っても過言ではありません。