前回の記事で、「心理的安全性」という言葉とその簡単な説明をしました。
心理的安全性とは
「あるテーマについて、互いに気兼ねなく発言し合える雰囲気のこと。
自らの発言に対し、非難されたり、無視されたりすることがないことをチームメンバーが理解していて、積極的に議論をしようとする風土が醸成されていること」
と説明しました。
つまり、
「これを言ったら怒られるかもしれない」
「これを言ったらどんな反応が返ってくるかわからなくて怖い」
ということがなく、
「私は○○について、こう思うのですが」
「私は○○と感じたので、□□をしたいと思います」
などと、自らの意見、気持ち、想いを気兼ねなく発信できること、です。
さて、この心理的安全性が高い職場やチームだといいということはイメージしやすいかと思うのですが、
まずは「心理的安全性が低い」場合に起こりがちな4つのリスクについてお話したいと思います。
私自身の体験からいっても、その方がより分かりやすいかと思い、今回はこちらのリスクについて取り上げますね。
その4つのイメージリスクとは
①無知だと思われる不安
②無能だと思われる不安
③ネガティブだと思われる不安
④邪魔する人だと思われる不安
です。
こちらの不安があると、人は次のような反応、または行動を取ります。
①無知だと思われる不安 → わからないことがあっても質問しない、訊かない。
②無能だと思われる不安 → 間違いや弱点を認めない。
③ネガティブだと思われる不安 → 言うべきことを言わない、批判や反対意見を言わない。
④邪魔する人だと思われる不安 → 意見やアイディアを言わない。
どうでしょうか。
私はこのことを知ったとき、「あぁ、どれもとてもよくわかる」と思いました…
「この人何にもわかっていないな」と思われたくなくて、質問できずにいた。
「私はこれが大切だと思うけれど、今言ったら水を差す人だと思われるな」と不安になって、意見を言わずに済ませたり。
どれもわかりすぎて「あぁ…」となったことを覚えています。
こういったことは大なり小なり経験がある人が多いかと(勝手に)思っているのですが、この「言われなかったこと」の中にアイディアや潜んでいたり、重要なことが隠れていたりすることもあると思うのです。
自然とこれらの不安に対するリスクが低くなり、「意見を言える」「気持ちを伝えられる」雰囲気や風土が出来上がるということが、心理的安全性が高い。ということになります。
なんとなくイメージしていただけたでしょうか。
さて、これらのリスクを冒して「それでも(緊張するけれど)言ってしまうぞ!」と誰かの勇気に頼るのも一つの手段ではあるのですが、
チーム全員が「心理的安全性」の高い状況を体感すれば、誰かだけが勇気を振り絞ったりリスクを冒す必要はなくなります。
「自然と気兼ねなく意見や気持ちを伝えられる」=「心理的安全性が高い」状態がいいのは感覚として掴んでいただけたかと思いますが、
次回は実際に「心理的安全性」が高まるとどうなるか?について、具体的な事例とともにお話しようと思います。